移動販売

移動販売を開業!必要な許可や販売可能なもの、軽トラでの始め方について

カスタム軽トラで野菜やパンを売りたい!移動食品販売にはどんな許可が必要?

移動販売は自由なスタイルで事業を展開する魅力的な選択です。

場所を選ばずに販売できるので、独自のビジネスに挑戦したい方にとって適したビジネスモデルだと言えるでしょう。

そこで、ここでは移動販売をするために必要な許可や移動販売で販売できるものなど、移動販売に関する基本的な知識を解説します。

移動販売に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

Contents

移動販売とは

移動販売とは、特別にデザインされた車で食べ物や商品を売るビジネスのことで、キッチンカーがそれに含まれます。

これらの車はペイントやラッピングでおしゃれに装飾されていて、スーパーやモールの駐車場やイベント会場など好きな所へ移動して販売できます。

移動販売は比較的低コストで始められるため、新しいビジネスモデルとして注目されています。

移動販売のメリット

移動販売のメリット

最近注目されている移動販売ですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは移動販売のメリットをいくつか紹介します。

ライフスタイルに合った働き方ができる

移動販売は場所や時間を選ばず販売ができるので、個人のライフスタイルや予定に合わせて働く場所や時間を選ぶことができます。

子育て中で働く時間に限りがある、週末しか働けない、など実際に店舗を出すのが難しい場合でも販売業をすることができるのは移動販売のメリットの一つです。

家賃がいらない

固定の店舗を構える場合、毎月の家賃が大きな出費となりますが、移動販売であれば家賃は必要ありません。

これにより、固定費を抑えつつ事業を展開できるので、経済的なリスクを減らすことができます。

スタッフの数が少ない

移動販売は小さな規模で運営ができるので、少人数、もしくはオーナーだけで運営することも可能です。

これによって人件費を削減し、経済的なリスクを下げる効果が期待できます。

人気がある場所で出店できる

移動販売は、イベントや季節に応じて人が多いところを選んで出店することができます。

顧客が多いエリアを選んで販売ができるので、売上を伸ばすチャンスを増やすことが可能です。

移動販売車のデメリット

移動販売車のデメリット

移動販売車には多くのメリットがありますが、反対にデメリットもいくつかあります。

ここでは、移動販売車のデメリットを紹介します。

天候に左右される

移動販売は基本的に外で行います。

そのため、雨や雪など天候に左右されることが多いです。

アイスクリームやぜんざいなど気温によって売れ行きが変わる商品は特に天候に左右されやすいです。

お客様の流れを読むのが難しい

できるだけ人が多い場所で販売したいと思って場所選びをしますが、人が多い場所を見極めるのは意外と難しいです。

お客様が多そうな場所を探したり、売れそうなメニューを開発したりすることは、オーナーに求められる能力の一つです。

移動販売でよく販売されているもの

移動販売でよく販売されているもの

ここでは、実際に移動販売で売られていることが多いものをいくつか紹介します。

  • パン
  • クレープ
  • お弁当
  • たい焼き
  • 焼き芋
  • ポップコーン
  • 野菜

実際に大きなイベントや公園、モールの駐車場などで、上のようなものが販売されていることがあります。

移動販売の種類

移動販売は大きく分けると以下の2種類に分類することができます。

  • 販売業
  • 調理営業

販売業

販売業とは、自分で調理していないものを売る移動販売の方法です。

例えば、移動スーパーや野菜販売が当てはまります。

調理営業

調理営業とは、自分で調理したものを売る移動販売の方法です。

例えば、キッチンカーが当てはまります。

このように移動販売には2つの販売方法の大きな違いは「自分で調理するかどうか」という点です。

販売業と調理営業では、必要な許可や申請手続きが異なるので注意しましょう。

移動販売をするには必要な2つの許可

移動販売をするには必要な2つの許可

移動販売をスタートさせるためにはいくつかの手続きや申請が必要になります。

販売するものや販売スタイルによって必要な手続きが異なるので注意しましょう。

ここでは、移動販売で必要な2つの許可について詳しく解説していきます。

保健所への営業許可or届出

移動販売を行う際には原則として保健所に営業許可の届出or申請が必要です。

2021年6月に行われた食品衛生法の改正によってこの制度がスタートしました。

これにより、以前は届出不要だったもの(例えば、焼き芋など)にも届出が必要になりました。

届出のみでよいのか、申請が必要なのかは販売するものによって異なります。

以下で移動販売においてよく販売されるものとそれに必要な許可や届出を紹介します。

取り扱うもの必要な許可or届出
調理した料理・飲料飲食店営業許可
調理したお菓子・パン *あんぱん、調理パンなど菓子製造業許可
牛乳・牛乳飲料乳類販売業届出
野菜・果物野菜果物販売業
包装された魚介類魚介類販売業届出
包装された食肉類食肉販売業届出
お弁当(あらかじめ製造されている場合)弁当販売業届出
米・麦・豆米穀類販売業
包装されたパン・豆腐・卵その他の食料・飲料販売業

申請や届出の運用については保健所によって異なります。

販売地域と仕込み場所が異なる場合は、それぞれの地域で保健所への届け出が必要になるので注意しましょう。

詳しい内容については保健所に相談してみましょう。

食品衛生責任者の取得

移動販売で食品を販売する場合は、食品衛生責任者の資格が必要です。

ただし、販売するものが常温品で長期保存可能なものの場合は、資格が必要ありません。

食品衛生責任者の資格取得方法

  1. 食品衛生責任者の講習を受ける
  2. 修了証を受け取る

<講座免除で資格取得できる>

以下の資格を保有している人は、受講免除を受けられる可能性があります。

  • 医師
  • 薬剤師
  • 歯科医
  • 獣医
  • 薬剤師
  • 調理師
  • 栄養士

など、詳しくは、各都道府県に確認してみましょう。

食品衛生責任者の受講料

1万円程度(地域によって異なる)

食品衛生責任者講座の受講方法

地域によって異なるので、それぞれの地域で確認しましょう。

インターネット上で受けられる場合もあります。

移動販売に向いている人

移動販売に向いている人

移動販売に向いている人の特徴はいくつかありますが、ここでは、主な特徴を3つ紹介します。

  • 柔軟性が高い人
  • 需要を読み取る力がある人
  • コミュニケーション力がある人

柔軟性が高い人

移動販売は一般の店舗型営業と比べて柔軟性が必要なビジネスです。

例えば、天候や季節、イベントによって出店場所や販売するものを変えるなど、臨機応変な対応が求められます。

出店場所を提供してくれるスーパーやモールからの要求にもすばやく答えられる力が必要です。

需要を読み取る力がある人

移動販売は人が多く集まる場所で行うと売り上げが上がることが多いです。

そのため、どのタイミングでどの場所に人が集まるのか、そしてどの場所ではどのようなものが売れるのかを読み取る力が必要になってきます。

例えば、寒い時期は温かいもの、暑い時期には冷たいものを売るなど、需要を読み取るようにしましょう。

コミュニケーション力がある人

移動販売というビジネスでは、多くの人とコミュニケーションを取ります。

お客様はもちろん出店場所の提供者などさまざまな人と関わる機会が多いです。

お客様と上手くコミュニケーションすることで、お店のリピーターが増えたり、お客様がお店を宣伝してくれたりすることもあります。

出店場所の提供者とコミュニケーションを取ることによって、イベントの度に声をかけてくれることもあるでしょう。

軽トラで移動販売を始める方法

軽トラで移動販売を始める方法

ここでは、軽トラで移動販売するための具体的な方法を紹介します。

  1. 出店したい場所やメニューを決める
  2. 移動販売車の図面を作成する
  3. 保健所で相談をする
  4. 食品衛生責任者の資格を取得する
  5. 営業許可申請書を提出する
  6. 移動販売車の検査を受ける
  7. 不備があれば移動販売車を直す
  8. 営業許可を得る

1.出店したい場所やメニューを決める

まずは、どのような場所でどのようなものを売るのかを決めましょう。

具体的な出店場所やメニューを考えておくことが大切です。

2.移動販売車の図面を作成する

移動販売で使用する車の図面を作成しましょう。

この図面は保健所で営業許可を取得する際に必要になることがあります。

3.保健所で相談をする

どこで何を売りたいのかが決まったら、その内容を保健所に相談してみましょう。

移動販売を行うために必要な資格や申請について詳しく教えてくれます。

この時に移動販売車の図面を持っていくと、適切なアドバイスを受けることが可能です。

4.食品衛生責任者の資格を取得する

食品を売る場合は、食品衛生責任者の資格が必要です。

講座を受講して資格を取得しましょう。

ちなみに、特定の資格を所有している人は受講免除になることがあります。

【参考】食品衛生責任者について

5.営業許可申請書を提出する

保健所に営業許可申請書を提出しましょう。

6.移動販売車の検査を受ける

保健所からの営業許可を得るためには、移動販売車が一定の要件を満たしている必要があります。

そのため、保健所で移動販売車の検査が行われます。

7.不備があれば移動販売車を直す

6で行った検査で不備があった場合は、修正を行います。

8.営業許可を得る

再度車の検査を受けて、審査に通ったら営業許可を受けることができます。

このような流れで移動販売をスタートすることができます。

車の要件などは各都道府県によっても異なることがあるため、保健所で直接確認するのがおすすめです。

移動販売車に必要な要件

移動販売をスムーズに始められるかどうかは、営業許可を得る前に行われる車の審査にすぐ通るかが大きなポイントです。

ここでは、移動販売車に求められることが多い基本的な要件を紹介します。

ただし、実際は各保健所によって異なるため、直接保健所で確認しておくと安心です。

  • 冷蔵庫・冷凍庫の設置
  • シンク・手洗い場の設置
  • タンクの設置
  • 収納棚の設置
  • 証明器具の設置
  • 換気扇の設置
  • 害虫が入らないような構造
  • ゴミ箱の設置
  • 仕込み場所の設置
  • 仕切りの設置

冷蔵庫・冷凍庫の設置

食品を保管するための冷蔵庫や冷凍庫が必要です。

扱う食品に合わせて冷蔵庫か冷凍庫、もしくは両方を確保する必要があります。

また、エンジン停止時にも冷蔵庫や冷凍庫が使えるように、電源を確保しておくことが重要です。

シンク・手洗い場の設置

調理器具洗浄用と手洗い用のシンクを設置しましょう。

扱う食品やメニュー、保健所によっては食材洗浄用のシンクも別で設置する必要があります。

また、手洗い場には消毒液・石鹸などの設置も必要です。

タンクの設置

調理や手洗いで使用する水を入れるタンクと排水用のタンクを設置しましょう。

移動販売車では使用済みの水を捨てることができないので、排水を溜めるためのタンクが必要です。

販売するメニューによって必要な水の量が異なるので、保健所と相談してタンクの大きさを決めるのがおすすめです。

収納棚の設置

調理器具や食器などを安全に収納できるように扉が付いている収納棚を設置する必要があります。

走行中の事故やケガ、害虫の発生を防ぐためにも扉付き収納棚が必要です。

証明器具の設置

調理をする際には適切な明るさが必要です。

夜に営業することもあるので、照明器具を設置しなければなりません。

保健所ごとに必要な明かりの数値が異なるので、保健所に確認してから照明器具を取り付けるのがおすすめです。

換気扇の設置

調理中に出たガスや煙が適切に排出するために換気扇を設置しましょう。

換気扇を設置することで湿度を保ち、カビを予防する効果も期待できます。

害虫が入らないような構造

食品を扱うためどうしてもゴキブリなどの害虫やネズミが発生してしまうことがあります。

害虫が入ってきそうな穴が車体に開いていないか、などを確認しましょう。

ゴミ箱の設置

移動販売車では食品を梱包しているプラスチックや缶、ビン、生ごみなど多くのゴミが出ます。

それらのゴミを捨てるためのゴミ箱を設置しましょう。

害虫の発生や悪臭を避けるためにも、フタ付きのゴミ箱を選ぶことがおすすめです。

仕込み場所の設置

移動販売では仕込み場所が必要になることが多いです。

自宅のキッチンで仕込みをするのは認められていないので、別に仕込み場所を確保しておきましょう。

仕事用キッチンやキッチンのレンタルなどを利用するのがおすすめです。

仕切りの設置

移動販売車では、運転席と作業場に仕切りを設けておく必要があります。

仕切りがないと営業許可が取れないので注意が必要です。

移動販売を成功させるためのポイント

移動販売を成功させるためのポイント

移動販売を成功させるためのポイントはいくつかありますが、ここでは主なポイントを解説していきます。

これから移動販売を始めようと思っている人は、チェックしていきましょう。

いくつかの出店場所を確保する

移動販売を成功させるためにはたくさんの顧客をつかむことが大切です。

毎日同じ場所で出店するのは難しいので、いくつか出店できる場所を確保しておきましょう。

毎週同じ曜日に同じ場所で出店すると、お客様が通いやすいのでリピーター獲得に繋がる可能性があります。

集客方法を意識する

お客様の目線になって集客方法を検討しましょう。

例えば、移動販売車の近くでいつも同じ音楽を鳴らす、車を見ただけで何を売っているか分かるようなデザインにするなどお客様目線の集客を意識することが大切です。

SNSを活用する

最近はSNSでの宣伝も効果的です。

移動販売車のスケジュールやメニューを紹介すると、お店の情報を的確に伝えることができます。

Instagram、X、Facebookなどを利用して多くのお客様に見つけてもらえるようにしましょう。

SNS映えするメニューを販売するのもおすすめです。

移動販売以外の収入源を確保する

移動販売業だけでは収入が安定せずに不安という方は、他の収入減を確保しておくことが大切です。

例えば平日は会社員、土日だけ移動販売をするという人も多いです。

ご自身の生活スタイルに合った方法で行いましょう。

まとめ

スーパーの駐車場やイベント会場でよく目にする移動販売車ですが、移動販売を行うためにはいくつかの申請や届け出が必要です。

販売するものによって必要な申請が異なるので、事前に保健所に連絡しておきましょう。

営業許可を得るためには、移動販売車が検査に通らなければなりません。

車の要件は多いだけでなく保健所によって多少異なるため、保健所で直接確認しておくことをおすすめします。

キッチンカーで営業許可がいらない場合はありますか?
キッチンカーないで調理をせず、固定の店舗キッチンで調理したものなどを販売する場合は営業許可は不要です。
例)弁当、パンなど

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この記事を読んで少しでも軽トラの荷台の
カスタマイズに興味を持たれたら
まずはランプスへご相談ください!

この記事の監修者

株式会社Lanps 代表 林 広幸

商用車・趣味用の車を問わず両方で役立つ軽トラを、「さらに快適に使用したい」や「機能性を向上させたい」という思いから、最適なユーティリティーカーゴボックスを開発。
お客様にニーズに合わせたご提案を行っています。