トラックの荷台に載せる大切な荷物を保護するため用いられる大きな布を「幌」と言います。幌を普段近くで目にすることがない方は、どのような布でできていて、どんな特徴があるのか、なかなかイメージしにくいかもしれません。トラックは多くの荷物を運べるという点でとても便利な車両なので、仕事だけでなく趣味のアウトドアなどでも非常に役立ちます。この記事では、トラックの幌に使われる生地について詳しくご紹介します。
Contents
トラックの幌に使われる生地の名称
トラックの役割は大きな貨物や大量の貨物を輸送することですが、運ぶ貨物の大きさや内容によって荷台のタイプが異なります。積載能力に特化した「平ボディ」、金属素材の箱型をしている「バン」、冷却機能を持つ「冷蔵・冷凍」などさまざまあるのです。今回は「幌」と呼ばれる布で荷台を覆うタイプのトラックについて説明します。幌の役割は、輸送中の貨物を風雨や直射日光から保護することです。金属を使用しないため、車体全体の重量を抑えて保護の役目を果たせます。まずは、幌に使われる生地にはどのようなものがあるのでしょうか。
「帆布」とは
幌の目的は、前述の通り「貨物を雨や風、日光から守ること」です。そのため、幌に用いられる生地は丈夫で劣化しにくいものであることが求められます。現在、幌として使われているもっともメジャーな生地は「帆布」です。文字通り、船の「帆」に使用されてきたという歴史を持っており、その丈夫さが伺えます。帆布の定義は、「糸を平織りして作られた厚手の織物」であることです。
平織りは生地の織り方の一種で、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交差して作られています。交差する点が多くなるため、硬くて耐久性が高い生地に仕上がるでしょう。通気性も良く、防水効果も持っているため、幌として使用するのにうってつけの生地と言えます。
帆布の種類
生地に使われる糸によって帆布はいくつかの種類に分けられます。もっとも身近なものは「綿」で織られた帆布で、通気性と撥水性を併せ持っており、バッグなどによく用いられています。「リネン」で織られた帆布は、吸水性と速乾性が魅力で、さらさらした感触に仕上がります。「ポリエステル」も帆布の素材として使われています。防水性、防カビ性、耐久性においてとても高い効果を持っているのが特徴です。ひとことで帆布と表現されても、素材の特徴によって何に用いるのが最適か異なります。
トラックの幌に使われる帆布
それではトラックの幌に最適な素材は何でしょうか。以前は綿帆布が用いられることが一般的でしたが、現在はポリエステル素材で作られた「エステル帆布」が主流になっています。エステル帆布の最大のメリットは、とにかく丈夫で長期的な使用に適していることです。防水性、耐候性や耐摩耗性、防カビ性などに富んでいるため、毎日天候の影響を受けながら大切な貨物を守って走るトラックの荷台の保護にふさわしい素材と言えます。
トラックの幌に使われる生地の特徴
一般的に幌に使われるのは、帆布と呼ばれる生地であることは上述の通りですが、ここからはその特徴をより詳しく説明します。貨物をしっかりと保護するために、幌として使う生地選びはとても大切です。どんな点に注意するべきか、是非参考にしてください。
生地の種類・素材
現在最も多く用いられているのは「エステル帆布」ですが、他にも幌に使われる生地の種類や素材はいくつかあります。ひとつは「ターポリン」です。ポリエステル繊維の生地に合成樹脂を混ぜて作られている生地で、防水性が高いうえに、汚れに強いことが特徴です。エステル帆布と比べると強度が弱くなりますが、値段が安価な点も魅力で最近は使用されることが増えています。
他には、レジャーシーンでよく目にする「ブルーシート」と同じ素材である「ポリエチレン」です。耐久性はこれまでに挙げた他の素材と比べると著しく低くなります。非常に軽く、価格が安価であることがメリットで、短期間で買い替えるといった使い方が一般的です。
耐用年数
生地の種類や素材によって耐用年数は異なります。もっとも長いのはエステル帆布で、約5年程度です。ターポリンは約3年、ポリエチレンは3~6か月が買い替えの目安となります。
トラックの幌の購入方法と手入れの仕方
最後に、生地の種類や特徴を理解したうえで実際に幌を購入する場合、どこでどのように購入できるのかをお伝えします。購入した後の手入れや修繕の仕方も是非覚えておきましょう。
購入方法
幌はホームセンターやトラックの専門店などで購入できます。購入後の取り付けに不安がある人は、購入後のフォローまでおこなっているお店を探すことをおすすめします。ネット通販でも購入することが可能ですが、幌を初めて購入する場合は実際にものを見て、不安な点を相談しながら購入する方が良いでしょう。
手入れの仕方
幌は定期的にお手入れをすることで良い状態を保って長持ちさせられます。幌の表面についた汚れやほこりは、豚毛や馬毛などの柔らかい柔毛ブラシを使って落とします。汚れがひどい場合は水が専用の洗剤を使って洗いますが、水気はすぐに拭き取りましょう。定期的にコーティング剤を塗ると、撥水性を保てます。
まとめ
今回はトラックの幌に使われる生地について、種類や耐久年数などの特徴を紹介しました。一般的には丈夫で劣化しにくく、長持ちする生地が良く用いられます。しかし、価格や買い替えのしやすさなど、他にもさまざまな観点があり、何を重視するかによって選ぶべき生地が変わります。専門の店舗や業者に相談して選ぶことも大切です。
「株式会社Lanps」では、仕事でも趣味でも役立つ軽トラのカスタマイズに対応しております。独自の発想や技術、ノウハウでお客様のご利用シーンやご要望にお応えします。軽トラをさらに快適に、機能的に使っていただけるように全力でサポートいたしますので、是非お気軽にご相談ください。